命の輝きに夢を見て

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命の輝きに夢を見て

 積もる話はできなかった。  彼の話を聞きたかったんだけど、話してくれなかった。悲しそうな顔をするばかりで。  私ばかりが話すのも良くないと思ってちょうど良い話題を探すけど、私たちは会話の始め方として近況報告しか知らない。  先に話を切り出したのは彼だった。 「……人は、死んだら星になるって言ってたでしょ」 「え?」  想定外の一言に、思わず聞き返してしまう。  そういう話もしたことはあったかもしれない。  星がいかに感動的なものなのか、説明しようとして。  でもなんで今その話?  彼は空を見上げて続けた。その先には何も見えない。 「それって悲しいと思う。晴れた夜の日に、見上げてもらわないと顔を合わせられない。それに、何億年も生きなきゃいけなくなる。光の速さでも何万年もかかるくらい離れてしまう」 「……どうしたの、急に」  ちょっと、この聞き方は良くなかったかな。  後悔はするけれど、何と言ったら良かったのかわからない。  彼の感想自体は、今に始まったことではないから別に驚かない。  見ての通り、彼は星に込められた含意などを理解しない。  それ自体は慣れてしまったんだけど。  意外だったのは、彼がわざわざその話を、このタイミングで持ち出したということ。  彼は私じゃなくてずっと遠くを見つめているようだった。  私のことを見てほしくて体を寄せたら、肩を抱き寄せてくれた。  いつもなら、この話が広がることはない。  でも今日は違った。彼は珍しく話し続けた。
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