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出会い
「あっ」
僕がうっかり消しゴムを落とし、階段から転げ落ちる消しゴムを、彼女は拾ってくれた。
「これ、君の?」
拾うなり彼女はそう言って笑った。
「あ、はい……ありがとう……ございます」
恥ずかしくて僕は敬語になってしまう。
「タメ語でいいよ、君、私と同じ学科の子でしょ?」
そう言われて、僕は彼女が持っている教科書が自分と同じ学年のものだと気づいた。
「同い年……?」
僕が小声で言うと、彼女は答えた。
「かもね、私23歳だけど」
僕も同じく答える。
「僕もだよ」
すると彼女はニコッと笑った。
「ほんと!?
じゃあ私達同じだね!」
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