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事件
彼女とはいろんなことをした。
花火大会も行ったし、花見もしたし、ゲームもしたし、ご飯も食べに行って、お酒も飲んで、一緒に住んで。
本当に、幸せな日々だった。
でも、ある秋の日のこと。
その幸せは、一瞬で崩れ去った。
それは僕がバイトから帰ったある夜のことだった。
「ただいまー」
珍しく電気すらついていなかった。
不自然と思った僕は玄関扉を開け、中に入る。
「いるのか〜?」
僕は声をかけながら辺りを見渡す。
だが暗くて何も見えないため、僕は電気を付けることにした。
手探りで電気のスイッチを探す。
「……これだ」
壁つたいに見つけた出っ張っているスイッチを押し、目の前が光る。
思わず眩しくて目をつぶり、目を開ける。
明かりをつけて真っ先に飛び込んできたのは。
「……!?」
倒れている彼女だった。
僕は混乱する頭の中、震える手で救急車を呼んだ。
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