385人が本棚に入れています
本棚に追加
「面白かったなー」
「そうだね」
映画を見終わった私達は、映画館を出た後駅の方角へ歩き始めた。
映画を見るだけの約束だったし、このまま帰る感じかな。デートのつもりとは言ってたけど……
「――あのさ……この後だけど、どうする?」
「え?」
「まだ昼だし、このまま家に帰るのも勿体ないなーって思ってさ。三浦さんが良ければだけど……」
「あ……私も同じこと思ってた」
「本当に? じゃあ、どこかで昼飯食べながらこの後の予定立てよう」
まだ一緒にいられるんだと思うと、素直に嬉しい。
「デート継続ってことで……はい、お手」
「お手って……私犬じゃないんだけど?」
「ははっ。ごめんごめん。じゃあ、迷子になったら困るから手貸して」
「……なんか子供扱いしてない?」
「してないしてない。そんなむくれるなって」
笑って謝りながら、さっと手を握られる。
「――やっぱりちゃんと……」
「え?」
「――いや、こっちの話。近くにカフェあるから、昼飯そこでいい?」
「うん」
なんだか、色々と誤魔化されてる気がする。映画館でのこともあれから何も言わないし……。あれって、どういう意味だったんだろう。私、少しは期待してもいいのかな……?第一印象最悪だし、好きになってもらえそうな所全く思い浮かばないけど。
期待して違ったら……私きっと、今までで一番落ち込むんだろうな……
最初のコメントを投稿しよう!