8話

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「面白かったなー」 「そうだね」 映画を見終わった私達は、映画館を出た後駅の方角へ歩き始めた。 映画を見るだけの約束だったし、このまま帰る感じかな。デートのつもりとは言ってたけど…… 「――あのさ……この後だけど、どうする?」 「え?」 「まだ昼だし、このまま家に帰るのも勿体ないなーって思ってさ。三浦さんが良ければだけど……」 「あ……私も同じこと思ってた」 「本当に? じゃあ、どこかで昼飯食べながらこの後の予定立てよう」 まだ一緒にいられるんだと思うと、素直に嬉しい。 「デート継続ってことで……はい、お手」 「お手って……私犬じゃないんだけど?」 「ははっ。ごめんごめん。じゃあ、迷子になったら困るから手貸して」 「……なんか子供扱いしてない?」 「してないしてない。そんなむくれるなって」 笑って謝りながら、さっと手を握られる。 「――やっぱりちゃんと……」 「え?」 「――いや、こっちの話。近くにカフェあるから、昼飯そこでいい?」 「うん」 なんだか、色々と誤魔化されてる気がする。映画館でのこともあれから何も言わないし……。あれって、どういう意味だったんだろう。私、少しは期待してもいいのかな……?第一印象最悪だし、好きになってもらえそうな所全く思い浮かばないけど。 期待して違ったら……私きっと、今までで一番落ち込むんだろうな……
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