3話

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3話

雨に濡れて帰った2日後、朝起きた瞬間に体の異変を感じた。 「ゴホッゴホッ……あー……」 喉が痛い。頭も痛い。体がだるい。 「完璧に風邪ひいた……」 ボーっとしながら熱を測ると、38.5度という無情な数字が見える。 今日から折角連休なのに、何処にも行けなくなっちゃった。病院も開いてないし、市販薬で何とかするしかないかな……。ご飯とかどうしよ。何か買い置きしてたっけ…… 「――レトルト系何も無い。でも、作る気力も無いしな……」 誰かに助けてもらいたくても頼むことも出来ない。だって相手がいないんだもん。友達もいないし、彼氏だっていない。地元も遠いから家族を呼ぶのも無理。 急にこの世界でたった1人になった気がして、心細くて涙が込み上げてくる。 「……とりあえず薬飲んで寝よ」 寝て良くなったら、コンビニにでも行けばいいや。 心細さを誤魔化すようにベッドに入り目を瞑ると、体のだるさも手伝ってすぐに眠りに落ちた。
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