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 姉さんたちが来る。  波打ち際でうとうとしていた私は、はっと顔をあげました。  水平線の向こうには朝日が顔を出し、水面を鏡のように反射させています。  静かな波の音に混じって、こぽこぽと海の底から何かが近づく音がします。  私は揺れる水面をじっと見つめました。 「シェリー! ごきげんよう」  ざあっと大きな波をかきわけて、2人の姉さんたちが浮かび上がってきます。  姉さんたちは、深い海の底の王国に住んでいます。18歳になれば、私もそこに行けるのよ、と教えられました。  私たちは皆、『お母様』と呼ばれる魔女によって生み出されます。  私たちが生み落とされるのは、海の浅瀬。18歳になるまでの少女は、そこで過ごします。  時折、姉さんたちが様子を見に来てくれます。  人間と姿形は変わらないのですが、私たちは水も食べ物も、何も必要ないのです。
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