歪んだ籠の中の鳥

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毎日毎日犯されるか寝ているかのどちらかが多く、俺は駿以外と全く話すことが無く、駿は他の人と話したりしていて少しムッとする。 違う人が度々来て、駿は他の男や女を抱いたりしているのを知っている。朝いつものように駿の淫茎をしゃぶり、朝食を食べにキッチンへ行けば炊けた米の匂いに吐き気がして口を塞いだ。 「どうした」 「んっ…?米の匂いに…ちょっと吐き気がして…」 「は?…あー…あぁ…」 何かを感じたのかどこかへ電話をかけ始めた。しばらく話していて通話が終了し、上を向かされてキスをしてくれた。 しばらく足元で丸くなって眠っていればインターホンが鳴り、駿は玄関へ向かったので俺も起きてついて行く。足元で擦り寄りながら見ていれば玄関が開き、白衣を着た痩せ細ったような白髪混じりの黒目の男が荷物を持って立って俺を見下ろしている。 「これが…?」 「あぁ…よろしく頼む」 男はしゃがんでかばんを置き、中を開けて薬を手に取り出して目の前に差し出してきた。チラと駿を見あげれば頷かれ、舐めとって飲み込む。 寝室へ向かいベッドの上で丸くなっていれば駿が頭を撫でてくれていて徐々に眠くなってきた。なんだか不安になり駿の手を握ればキスをしてくれて、俺は完全に眠りに落ちていった。
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