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稔世先輩が何かを言う前に1度部屋に入ってもらおうと彼らを生徒会室へ招き入れる。
慣れているとでも言うようにボクの向かいに座る稔世先輩と真浦先輩。
そして不自然に背筋がピンとなっている真優。
まあ、無理はないだろう。急に来た2人の男に自分のことで話があると言われたのだから。
中にいた成音が出してくれた紅茶を飲み、コツンと音を鳴らして置いた稔世先輩が先程の続きを話す。
「宮川の親衛隊が少し荒れていてね」
稔世先輩の言葉に隣にいた真浦先輩が深く頷く。
なぜか、なんて言うのは聞くまでもない。ボクでも自分の影響力は自覚しているつもりだ。
しかし、隣に座っている真優は納得した様子を見せるボクをみてなんのことだとでも言うかのように首を傾げている。
その様子に気づいた真浦先輩がああ、と説明し始める。
「要様はみんなをまとめ引っ張っていく姿などから多くの人に慕われています。その要様に尊敬などといった気持ちを持つ者たちが多く所属しているのが僕が親衛隊長を務める要様の親衛隊です。要様の親衛隊には恋愛感情といった感情を持つ者も居て、その方達が転校生、観塚が何者なのかという点などにおいて混乱し荒れてしまっております」
この言葉を聞いて真優は今どき親衛隊…とつぶやき、それと同時にキャパオーバーしたのか目を手でおおっている。
そんな真優を気にしないとでも言うように真浦先輩が続きを話しだした。
「多くの面で影響力が大きい要様に2年前転校してきてから転校してくる前の知り合いというのは誰にも知られていなかった。そんな彼を突如やってきた転校生が久しぶりという言葉を添えて挨拶をしたんです。話題になるのも無理はありません」
真浦先輩の隣にいる稔世先輩がウンウンと頷き、真優はまだ少し首を傾げる様子み見せながらも、首を縦に振っていた。概ね理解出来たようだ。
この学園の特殊さは慣れろとしか言えないので、これから大変になるだろうと少々遠い目をしながら真優を見つめた。
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