第一章

9/32
前へ
/34ページ
次へ
「え?」 静かな空間にみんなが目を丸くして放った言葉が響く。 驚くのも無理はない。この学園は基本的に転校生はやってこない。中等部の頃にボクが転校生としてきたのもとても珍しいことで、その珍しいことがまた起こるということはもっと珍しいことだ。 固まっているみんなに構わず詳細を説明する。 「転校生の名前は観塚 真優(しめづか まひろ)。入るクラスは2-Sでボクと同じだね。海外に留学していたから入学式に間に合わなかったみたい。編入テストはほぼ満点。容姿はこんな感じかな」 理事長渡された資料に載っていたことを伝える。 それを聞いて成音が呟くように 「編入テスト難しいって聞くのにほぼ満点とは。さすが留学していただけあるね」 と見定めるように言う。 同時に見せた転入生の容姿を見て、みなが口を揃えてイケメンと言っていた。 「彼が転校してくるのは明日だね。誰か出迎えに行ける人はいる?」 「俺いこーか?」 千栞が立候補してみんなに確認をとると大丈夫と出たので千栞が迎えに行くことになった。 この後はみな机に向かい書類を片付けた。よほど転校生が気になるのかみんなソワソワした一日となった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

238人が本棚に入れています
本棚に追加