第一章

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学園に着くと親衛隊の子達が迎えてくれた。 毎朝凄い。 「おはようございます要様。お荷物お持ちします」 今話しかけてきた彼はボクの親衛隊隊長の真浦連(まうら れん)先輩。3年生でボクの方が年下なのにいつも敬語で話している。タメ口でいいって言ったというのに。 いつもボクのカバンを持ってくれる子なのでいつも通り「いつもありがとう。今日もよろしくね」と笑顔で返す。僕としては自分で持っていたいけど。 ボクはいつも生徒会室に行くのてそこまで少し話しながら向かっていく。 歩いていると急に真浦先輩があ、と言い足を止める。 視線を辿ると奥から稔世先輩がこちらに来るのがわかった。 「おはよう、連。あと宮川も」 「おはよう信引」 「おはようございます稔世先輩。あの、ついでみたいに呼ぶのやめてくれませんか」 稔世先輩と挨拶を交わす。挨拶をする時はいつも、真浦先輩の頭を撫でながら話している。朝からラブラブを見せつけられてしまうが、いつもの事だし、まだマシな方なので気にしない。 この2人は幼なじみで中学の頃から付き合っているらしい。ならなんで真浦先輩がボクの親衛隊にいるかと言うと、親衛隊にいると襲われにくいかららしい。確かにそうだけど、正直稔世先輩の親衛隊に入った方がいいのでは、とも思う。 まぁ聞いてみたら「会長様の事を尊敬しているのは事実ですし、稔世先輩は親衛対象じゃなくて"恋人"ですので」と返された。幸せそうで何よりだ。 頭を撫でている稔世先輩がそういえば、と向きをボクに変えて話し始める。 「西田先生が呼んでたぞ。理事長のとこ行くよって」 「教えて下さりありがとうございます」 笑顔で返事をする。 にしても理事長の所に行くのか。なにか呼ばれる心当たりが見つからないがとりあえず行こう。 先に職員室に向かわないと行けなくなったので、カバンを持ってくれていた真浦先輩にお礼を言ってカバンを受け取り、その場で別れる。
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