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理事長との話が終わり、西田先生とも別れたあと、いつも通り生徒会室へと向かう。
(この時間ならいるのは千栞か。)
特別棟にある生徒会室。生徒会役員は皆授業免除が与えられている。仕事が多すぎて授業に出ている暇などないからだ。ただし成績が大幅に下がってくるとその制度はなくなってしまう。そのため、皆勉強はしっかりしている。
生徒会室に着き、ドアを開く。
「あ、ようちゃん!おは〜」
予想通り生徒会室にいたのは副会長の汀 千栞だった。いつもの人懐っこい笑顔を浮かべて挨拶をしてきたため、「おはよう。いつも早いね」と返す。
「今日遅かったね。どうしたの?」
生徒会室にいるためもちろんしているのは仕事。先程挨拶をした時は仕事を1度止めて話していたが、忙しさは並大抵では無いので今はパソコンを見ながらこちらに話しかけている。
なんとも器用な人だ。
「少し理事長に呼ばれていてね。みんなに知らせなければならないことがあるから連絡を頼んでもいい?」
そう尋ねると快く返事をしてくれた。
スマホを取りだし、みんなにメールをしている彼を視線の端で確認し、僕も仕事をしようかと部屋の一番奥にある椅子に座る。
少しして廊下がバタバタとしていることに気づき、顔を上げドアを見る。
すると、ドン!という大きな音と共に呼ばれた生徒会役員がズラズラとでてきた。
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