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「まじチョベリバ」
「古ッ」
県立高校のくせに何でクラス毎にカメ飼ってるわけ。
カメ助(カメの名前)専用の歯ブラシで甲羅を擦り付けながら遠藤が顔を歪めた。
「生物委員とかこの歳になってやるとは思わんかった」
「本当ですよ」
「手伝えよ」
「嫌ですよ」
「何で」
「クラス違うから」
「アッチャチャー」
ていうかまず学年が違うだろう。僕はただ大人しくカメノミゾシル(略してカメノミ、これもカメの名前。なげーよ)がクワッと遠藤の指をかむところを見ているだけだ。何だアッチャチャーって。
「カメ助さ…」
「はい」
「太った?」
「知らねぇよ」
遠藤がカメ達をキレイにし終わり、水槽を洗い始めたので僕はカメノミに念を送ることにする。遠藤ノ指ヲ噛メ。カメだけにとか頭を過った。うわあ…遠藤レベル…
「カメノミさあ」
「はい」
「オッサンくさくない?」
「知らねぇよ」
そんなに他学年他クラスのカメの様子なんか観察してねーよ知ったこっちゃないよ。よし行けカメノミゾシル、今こそあのめんどい男に噛みつくがいい。
「ッ!痛い!!」
「あ、通じた」
「何が!?痛いよカメノミ!」
カメって、念通じるんだ。
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