誰か止めて

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誰か止めて

言葉一つで、彼の愛が取り戻せるなら いくらでも彼に伝えたい… 花咲の瞳を見ながら森山への愛を隠してそっと微笑んだ 摩耶は自分の両手を握りしめた この想いを誰か止めて、、 「摩耶にとっては、俺は終わった存在なのかもしれないが何か助けてほしいことがあれば今までのお詫びを兼ねてなんでも助けてあげたい、、些細なことでも力になりたいと思っているよ、電話番号とメールアドレスはここに記載しておくからいつでも連絡していいから」 花咲はダッシュボードから出したメモ帳に連絡先を記載すると摩耶に渡した 「雨も上がりそうだけど、君の家まで送るよ」 「拓真は用事あったんじゃないの?」 摩耶は花咲からメモを受け取った 「用事は大したことがないから別の日に行くよ…今日じゃないくても大丈夫」 「ありがとう」 摩耶が笑うと花咲も微笑み返し車のサイドブレーキを下げた あれから数日後、、 前田は休憩のためにフロアーを抜け廊下を歩いている時、給湯室から会話の声に立ち止まった 「…森山さんの内示が保留になったみたいだよ」 「え、…どうなっているの?」 「ビルで怪我したみたいで救急車で運ばれて、、なんか記憶がなくなったみたいで副社長どころじゃないみたいよ」 女子社員がウワサ話に花を咲かせていた 「その話って事実ですか?」 前田は給湯室の女子社員に話しかける 「…前田マネージャ…、会社の人がお見舞いに行ったら森山さんが記憶がないみたいで話があまりできなかったみたいで、どこまで覚えているのかすらわからないみたいですよ」 「は?…」 前田は耳を一瞬疑い固まったように動きが止まる 空から雨が降り地面のコンクリートが深いグレー色に変わる 支社に移った時を思い出すと胸が苦しくなる もう、結婚は辞めようと決意した しかし、再び婚約をしたら森山は記憶をなくし、そして別の誰かに取られそうになってしまう 仮にこのまま森山は記憶を思い出さずにいたら、私たちの関係は本当に終わってしまうのだろうか
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