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「それ、読んだ感想聞かせてくれるんだろう?」
「そうそう、感想。私、読んでる途中で、これお父さんのことなんじゃないかって思いだしたら、そうとしか思えなくて…。親友って、モデルは、きっと速水さんだよね。」
「そうだろうな。速水さんから親父とのエピソード、たっぷり聞いたんじゃないかな。そうでなきゃ書けない話ばかりだよ。」
「こんな風にずっと縁が続く友達っていいね。」
「お前にもいるだろう、そういう友達。」
「そうだなぁ…お菓子メーカーに勤めてた時の友達の朱美ちゃんかな。今もしっかりしたやり取りが続いてるの彼女だけだし。お兄ちゃんは?」
「俺は、同期の山里かな。あいつは東京だけど、俺と梓のこと、一番祝ってくれたし、いつ無理言っても聞いてくれるからな。」
「私ね、タイトルの島って南十字星が見えるところだと思ってたの。保がよく行ってた石垣とか。でも、速水さん達は、ここだったんだね。見えないのにね、南十字星。」
「そう言えば、母さんは南十字星見ながら倒れたんだったよな、石垣で。」
「うん、そう。びっくりしたよね、あの時は。」
「母さんの病気を知ってから、覚悟はしてたことだけどさ…。あの時、一番、辛かったのは親父だと思うよ。」
「お父さん、お母さんのこと、すごく大切にしてたもんね。」
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