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エピローグ
「汝、聖美を生涯の伴侶とし、健やかなるときも、病めるときも、支えあって伴に添い遂げることを誓いますか?」
「はい、誓います」
式場のステンドグラスから七色の光が降り注ぐ中、私は神父を前にして堂々と答えた。
「汝、透を生涯の伴侶とし、健やかなるときも、病めるときも、支えあって伴に添い遂げることを誓いますか?」
「はい、誓います」
煌びやかな光を浴びながら聖美もそう答える。純白のウエディングドレスを身にまとったその姿は、聖美という名にどこまでもふさわしいシルエットだ。
「では、指輪の交換を行い、誓いの口づけを交わしてください」
神父に促され、私は聖美の顔を覆っているヴェールに手をかけた。
「どう、似合う?」
「惚れ直しそうだよ」
聖美が投げかけてきた小声の問いに対して私は思わず答えた。
「ありがとう」
「なあ、聖美」
「どうしたの?」
「愛してる」
「本当に?」
「本当だ。だから、何があっても聖美のことは守ってみせるよ」
「本当に、本当に愛してる?」
「ああ。これを愛と言わずして何と言う?」
私の問いかけに対し、聖美は顔を綻ばせた。これ以上ないほどの笑顔だ。
聖美の唇と私の唇が重なり合ったその瞬間、私達を祝福するかのように鐘の音が清らかに、そして高らかに鳴り響いた。
【終】
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