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その手招きに尻を挙げて慶一朗が座るソファの肘置きに手を着くと、招き寄せた手がリアムの頭を抱き寄せるように上がり、その耳に口を寄せて特別なお前に特別コースを案内してやると囁きかける。
「……In Ewigkeit.」
ドイツ語で永遠にとの言葉を囁かれて一瞬で腹の奥底に熱を覚えたリアムは、己の体の下で嫣然と笑う慶一朗を抱きしめ、その際の料金はと微かに震える声で続けて時価だと返されて吹き出してしまうが、目尻を赤く染める端正な顔を間近で見下ろした後、そっと額に額を重ねる。
「ケイさんと一生一緒にいられるのなら言い値で払おうか」
それが例え100万ドルであろうとあなたとずっと一緒にいられるのならば金に糸目は付けないと断言すると、リアムの背中に手が回り同じ強さで抱きしめられる。
今こうして互いの背中を抱き合っているが、こうしていられる時間が贈り物のようであり、それこそ料金表にも乗せられないプライスレスな経験だと囁くと、カード会社の回し者かと楽しそうな笑い声が腕の中から響くが、背中を抱く腕の強さは全く変わらなかった。
だから傷が痕跡として残る耳に口を寄せ、ダンケ、慶一朗、愛していると囁き、同じ言葉ではないがそれでも同じ思いが籠った言葉を囁き返され、満足するまでそのまま抱きしめ合うのだった。
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