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いつも以上に互いに熱を上げて失神するような快感の後、指先一本も動かす気力のない慶一朗を気遣ったリアムは、手早く互いの体を拭いて掛布団を引っ張り上げると、汗ばむ慶一朗の頭の下に腕を差し入れて腰に腕を回して抱き寄せる。
「ケイさん」
「……ん……?」
「うん……今日はありがとう」
この国に10歳で移住して以来、己の誕生日を祝う事が無かったが、あなたと付き合ってからは毎年のように祝ってもらっている、今年は本当に嬉しいとはにかんだような笑みを浮かべて感謝の思いを伝えると、茫洋とした目に見つめられた後で頬に手が添えられ、髭の感触を確かめるように手が動き、そのくすぐったさから小さく声を出して笑ってしまう。
「くすぐったい」
「……プレゼントは嬉しかったか?」
「うん。最高だ」
「……週末、アポフィスを楽しみにしていろ」
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