1st Anniversary.-Duke!-

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 似顔絵を描いてくれる人ならば探せばいくらでもいるだろうし、最悪見つからなければルカに頼んで紹介して貰えば良いと気付いて大きく欠伸をすると、己に訪れた睡魔に気付いたようにそっと髪を撫でて頬にキスをくれるリアムを振り仰ぎ、寝入り端のような声でベッドに行くと伝えると、少しだけ待ってくれと残した温もりが消失した事に体が自然と震えてしまう。  季節は夏に移行しているのに真冬の寒さを覚えて寒いと呟く声にもう少しだけと口早に告げる声が返され、温もりを与えてくれていたリアムが何をしているのかを確かめるように首を巡らせると、己の腿に甘えていたデュークが大きく欠伸をしたことに気付く。  ベッドに行くと告げた事でリアムもデュークも寝る前のルーティーンを行っているのだと気付き、デュークの名を呼んで近寄ってくる体をぎゅっと抱きしめ、肩に預けられた顔からひとつ、淡い息が落ちるのを確かめる。  少し硬めの被毛だが毎日のようにブラッシングしていることから艶やかで、寝る前のハグを済ませた慶一朗の前、家中の戸締りを確かめたリアムがやってきたかと思うと、デュークの横に膝をついて同じようにハグをする。
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