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MOON Light
誕生日当日。予約の21:00…ソワソワして落ち着かない。3時間OKだったから、誕生日の締めを誰かと過ごしたかった。
ピンポン♫
「はい」
「お届け物です」
あ…そっか、注意事項にマンションのオートロックの場合は名乗りません。って書いてあったな。
「どうぞ」
数分後、ピンポン♫玄関のチャイム…
俺の心臓は張り裂けそうに暴れている。お任せにした事を今更、後悔した。
ガチャリ
俺がドアを開けるとそこには…
赤いバラの花束…を抱えた、どえらいイケメン。
「誕生日おめでとう、拳士くん。お祝いに来たよ」
「へぁ、あ、ありがとうございます…とりあえず、上がってください」
「お邪魔します」
ドアが静かに閉まる。
「改めまして【MOON Light】から来ました、イッキです。本日はありがとうございます」
丁寧な挨拶と所作で名刺が差し出される。
「いえ、こちらこそ。俺なんかの為に、わざわざありがとうございます」
「…俺なんかってのは、やめた方がいい」
「え…」
「25歳で、ゲイと分かってて自分の位置も知らずにゲイデリ呼ぶなんて、どんなハゲでデブなのかとビビってたんだよ。なのに…こんなに美人でエロいとか、ヤバイな」
「それ、褒めてますよね?」
「当たり前だ、いいのか?誕生日に俺で…」
「俺も直前でビビってました。お任せにした事、後悔したりして…でも…イッキさんでよかった。よろしくお願いします」
「ふ…素直だな。実は、君のプロフ見てみんな嫌がるから俺が来た。俺はオーナーで現場にはほぼ出ないんだ。でも…今日は来て良かったよ。楽しもうな」
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