キス

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キス

「熱くなってきたな…なぁ、拳士…ここは取っとくか?」 そう言って、俺の唇をツンツンする。 もうこの歳だ、誰にあげても関係ない。それならあなたに。 あなたに自分から一瞬だけ…唇を重ねた。 ほら、イッキさんが驚いてる。 「ふふ、俺を揶揄うから仕返しです」 イッキさんは、口元を掌で覆う。 「ヤベェ、クソかわいいな…おい…」 「イッキさん、口が悪いですよ。接客業でしょう?」 「悪いな、俺は滅多にしないから…嫌か?」 俺は首を横に振る。 「そのままでいいです、そのままがいい」 俺はもう一度、イッキさんに軽いキスをする。 イッキさんは、横向きに膝に座ってた俺を軽く抱え上げ、自分に跨らせるように座らせる。 「この方が近い…口開けて?」 イッキさんは食べかけのケーキから、生クリームを指で掬い取ると俺の口元に差し出す。 俺は照れながら、その指をパクリと咥える。イッキさんは指をグルグル回しながら、俺の口内に生クリームを塗りつけた。 「ふ…ふぁ…」 生クリームで濁った唾液が顎をつたう。それをペロリと舐め取り、指を抜くと同時にイッキさんの舌が俺の口内へ入り込む。 グチュ、グチュリ 塗り込まれた生クリームを掃除するように、舐めとられる。 「拳士とのキスは甘いな…」 「はぁ…だって生クリーム…イッキさんが…」 「溺れてしまいそうだ…」 唇に残った生クリームまで、綺麗に舐めとられる。 俺は息苦しさと、恥ずかしさで涙目になる。 「拳士…そんな潤んだ目で見つめるな…俺にどうして欲しいんだ?」 「わかんない…俺…心臓が壊れそう…」 俺はイッキさんに跨ったまま、首に腕を回し無意識に腰を擦り付ける。
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