※雰囲気文です

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※雰囲気文です

I may keep on shooting it. Even if you surely die. 「何してんの」 「いやさ、これさ、紙と修正テープの色が一緒なんだよ」 「あぁ、いいよねそういうの。ばれない感じが」 「そそ。隠す感じ。いかにうまく隠すかみたいな」 ねぇ、雨が降るの ずっと 爪の甘皮ばかり咬みちぎって、それで一体なんになるの。ねぇ。まぁ、聞いたところでどうすることもないんだろうけども。お腹いたい。 シャー芯がきれたんだよ。ねぇ。いつもだったら、くれたじゃん。ねぇ。 雨がね、やまないんだよ。 「やっくん、その青、何ていうの」 「何てって…?ああ、コバルトブルーとかそういう?」 「うん」 「えー。俺そゆの詳しく知らねーしなー」 「調べようにもねぇ…調べかたが分かんないし」 「何でいきなりそんなん知りたくなったん?」 「んー?んー」 ひつじが目を閉じるように オウムとインコが会話するように カマキリが花に恋するように 「やっくんて、よく指トントンってするから」 「へ?」 「修正テープをさ、プリントとくっつけるのに」 「ああ…俺これ何か剥がれんだよな」 「だからさ、」 (ね、その不文律も貴方なの) 青い空が灰色なのは 見てると大分苦しくて 「紅蓮の井戸堀り、って聞いたことある?」 「さっきから何なんだよ、プリント終わったのか?」 「んー…雨だから」 「まだ終わってねーんじゃん」 「あー、えーと…紅蓮地獄って言って、」 「怪談すんなら黒川んとこ行けよ」 「違うんだよー、やっくんといるこの雰囲気が…」 「俺と一緒にいんのが地獄だってのか?まじ黒川んとこいけよ!」 「違うって!雨だから、さ」 「雨だから何だよ…まぁじめじめするし、外で部活できねーのは嫌だけどさ」 雨の音が教室中に響いて 耳が籠っていきそう 教室から逃げ出しても 廊下に広がる窓一面から雨粒が空から打ち付けられていくのが見えてしまうから この場所から逃げ出すなんて不可能なんだろうなって思ったら、何だか独りぼっちになった気がして 「要はね、キリがないってことだよ」 「何が?プリント?」 「ううん、"考え"が」 「そりゃお前、考えないのが一番だろ」 「…そうかな」 「そーだろ。思考リセットしてみそ」 「ミソ」 「よっし終わった!一緒に提出しに行こうぜ!」 翌暁を臨むにあたって、天気が其れを左右すると知りつつやはり雨雲に光を求めてしまう だって僥倖も暁光も響きは同じなのだから 「ごめんやっくん、最後の一問だけ写さして!」 「何だよ、それくらい自分でやれよ~…ホラ」 「サンキューっ!」 何でこんなに夕日がキレイじゃないの ねぇ何で I may keep on shooting it. Even if you surely die. (私は撃ち続ける) (あなたがきっと死ぬとしても)
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