鬼ごっこの話

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おっす。オラ寛智。1-Aの腐男子様だゾ☆ 今、歩たんと別れて学園内を歩いているところでっす! さっきスタート合図が鳴ったけれど、脳内は作戦会議中なんですよ。 問題。寛智君は、どうやって鬼ごっこをやり過ごすか。 A.さっさと捕まって萌を探しに行く。 B.最後までかくれんぼして隠れる。 理想はAなんですなぁ……しかし、問題は誰に捕まるか。 ほら、見てみ? 今鬼の人オイラ見て舌打ちしなすったぞwwwwww そうそう。プランAには問題があって、鬼側は目的の人をタッチしたいみたいなところがあるから、寛智みたいなモブを捕まえたいという物好きな人はいないんだな〜www ちくしょうwwwwww現金なやつらめwwwwwwぐすん……。 理想は歩たんを見つけて捕まえてもらう、なんだけど……歩たん、絶対沙羅たん捕まえに行くじゃろ?www無理無理wwwあの子捕まえられるわけがないwww 「いや、校内限定ならいけるかもしれぬわ」 校内は構造上の都合で行き止まりが多い。 身を隠そうにも、一人に見つかれば撒くのはほぼ不可能。 「ふむ……歩たん、頑張れ」 草をはやす気力もなかったわたくしは、ひとまず近場の教室に入り込みますたー。 「候補は、トイレの個室、教室にある清掃用具庫、準備室……あるぇ?? 候補ありまくりでは??」 意外と逃げ切れるのでは? 寛智君天才! 惚れる! まて、笑うのは早いぞ寛智君。 全部回りきるのははっきり言って厳しい。ならば、見つかるのは時の運ということなのだよ。 教室に入った時、真っ先に浮かぶのはやはり掃除用具庫。つまり、だいたいそこに隠れると思うじゃろ? 「閃いたぜwww」 つまり、寛智君が隠れるべき場所は、探した時に見逃しやすいところだ。 ムフフフフフフwww みwなwぎwっwてwまwいwりwまwしwたw 「さてさて、これから隠れ場所に移動して……」 しゃがみこみ、扉を小さく開けたその先に足があった。 なんぞ? と顔をあげれば、かどけん君。 「うっそだろオイ」 フラグ回収はやすんぎ。 オワタ。みなさんさよなら。 「あ゛!? なんか文句あんのかよ!」 「ひぃっ!」 怒鳴らないでください心臓と耳が破裂します。 へっぴり腰で教室の後ろまで逃げる。頭とか体に机や椅子が当たっていたい。色んな意味で泣きそうです。 いやもう泣いてます。 「こ、こないでおくんなし!」 来るなと言われて来ない人はいないんだよなぁwww ほーらやっぱりちかづいてくるぅ。やだなにこれホラー? 助けて歩たん! この人Fryouです! HENTAIです! 犯される襲われる殴られるやだやだやだ! 僕は小さくなって震えておりました。 「……そんなに嫌かよ」 そんなとき、寂しそうな声が聞こえて、我に返りましたぞ。 「どいつもこいつも見た目で判断しやがって。俺だって好きでG組いるわけじゃねーんだよ」 見た目ではなくあなたの態度ですよ。 とはいえず、固まる寛智君。
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