第5話 お店開店!

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第5話 お店開店!

「店を開店する!」 店の前におすすめメニューを書いた看板をおき、事前に作っておいたチラシを配ることにした。 「おばあちゃん!少し宣伝してくるね!」 「行ってらしゃい。」 私はさっきお世話になった肉屋、魚屋、麺屋の店主にチラシを渡しに行った。 『最初は肉屋!』 「お客さん、何かお買い上げですか?」 「いえ!お店を開いたので、チラシを配りに来ました!」 「チラシ.......。初めて聞きますね。とりあえず、後で行ってみますね。」 「ありがとうございます!それでは!」 一礼し、店を出た。 『次は魚屋!』 「お!嬢ちゃん!また買いに来たのかい?」 「いえ!お店を開いたので、チラシを配りに来ました!」 「チラシ?!なんじゃそりゃ!まぁとりあえず、貰っておくぜ!後で行く!」 「ありがとうございます!それでは!」 ルンルンしながら、店を出ていった。 『最後は麺屋!』 「またきたのか。今度はなんのようだ。」 「お店を開いたので、チラシを配りに来ました!」 「チラシか。よーわからんが、あとで行くよ。」 「ありがとうございます!それでは!」 小走りで店を出ていった。 私は片っ端からチラシを配り、配ってる最中に会った人達にも配り終え、店に戻った。 「ふぅ。疲れた。あとはお客さんが来るのを待つだけ!」 私はメニューの下準備をしながらお客さんを待っていた。 『記念すべき一人目のお客さんは誰かな〜!』 「「「チリンチリ〜ン」」」 入り口につけていた鈴が店に鳴り響く。 『お客さんだ!』 私は元気良く、 「いらっしゃいませ〜!」 と、発した。 入ってきたのは3人だった。 その3人とは、一番最初にチラシを配りに行った肉屋、魚屋、麺屋の店主だった。 「あ!店主のみなさん!」 「広いお店ですね。」 「来てやったぜ!!!」 「なんだ、なかなか綺麗な店だな。」 店主はカウンターに左奥から座った。 「こちらメニューです!」 「なんだなんだ!聞いたことのない料理名のものしか無いじゃないか!」 「私は肉料理が食べたいです。自分が売ったお肉をどんな料理に変えるのか確かめたい。」 「ん〜じゃあ俺は魚屋の店主だから魚料理をお願いするぜ!」 「俺、麺類で。」 「かしこまりました!!!!!!!!!」 私は大声で返事をし、作り始めた。 『肉料理ならハンバーグ!魚料理なら寿司!麺ならあんかけうどん!よし!作るぞ!!!』 私は奥の冷蔵庫から挽肉、玉ねぎ、パン粉、牛乳、卵を取り出した。 『まずはハンバーグ!玉ねぎをみじん切りにし、フライパンで炒める。挽肉をボウルに入れ、塩を加え、粘りが出るまでよく混ぜ、さっき炒めた玉ねぎ、パン粉、牛乳、卵を入れ、手早く混ぜる。丁度いい形になるように均等に分ける。叩きながら空気を抜き、楕円形にまとめ、真ん中をくぼませる。フライパンで両面焦げ目がつくまで焼き、水を加え、蒸し焼きにする!』「よし!あとは焼くだけだから次、寿司を作ろう!」 『さっき炊いたご飯を必要なだけ取り、米酢、砂糖と塩を少しいれて混ぜる。あとは形を整えて、さっき切った寿司ネタをのせ、再度握りる!』「あと一つ!うどんだ!」 『うどんを茹で、器に移す。片栗粉を水でとき、水溶き片栗粉を作る。卵を割り、ほぐしておく。鍋を出し、麺つゆ、みりん、水を入れ、煮立たせる。さっき準備した水溶き片栗粉を入れ、再び煮立たせ、軽いとろみをつける。火を止め、溶いておいた卵をを、ゆっくりと円を書くように鍋に入れ、少し待ち、軽く混ぜる。器に移したうどんにあんかけをかけ、完成!!』『あとはさっき焼いてたハンバーグを完成させて終わりだ!蓋を開け、ハンバーグを取り出し、フライパンは洗わず、水、ケチャップ、ウスターソースを入れ、ハンバーグソースを作る。皿に盛り付け、ご飯をついで完成!!』カウンターに座っていた店主3人はワイワイと話していた。 「おまたせしました!ハンバーグ、寿司、あんかけうどんです!」 「初めてみますね.....。ハンバーグと言いましたかね、これは期待。」 「なんじゃこりゃ!生魚?!初めて食べるな!!」 「うどん...とやらは分からんが、熱そうだな。」 店主達は箸を持ち、同時に一口目を食べ始める。 『どうかな。日本の料理は異世界人の口には合わないかな。』 「.....なんなんだこれは!肉汁がすごく、ソースと絡み合っている!しかも、この輝く白い粒とものすごく合う!いままで食べた中で一番美味しい!私の売っている肉でこんな美味しいものができるなんて!感動だ!」 「生魚ってこんなに美味しいだな!この何だ?白い粒.....。何かで味付けがされている!酸っぱい匂いがするが、味はものすごくおいしい!生魚とのマッチが良く、こんな美味しい料理初めて食べたぜ!!お嬢ちゃん、すごいな!!」 「俺は長年、麺類を売ってきたがこんな美味しくて温かい麺は初めて食べた。妻がいた時の温かみと同じぐらいだった。他の麺類も食べてみたい。いままで食べた料理の中で一番美味しかった。」 店主の3人は美味しい美味しいと語りながら完食してくれた。 そんな美味しい美味しいと食べている店主達をみると、とても嬉しくなった。 「いつでもご来店どうぞ!お待ちしております!」 「おう!!絶対食べに来るさ!他の料理も食べてみたいしな!」 「街のみんなに呼びかけをしときます。これからもよろしくお願いします。」 「他の麺も食べに来るからな。また。」 そう言いながら店主達は店を出ていった。 それから人が来ることは無く、日が暮れ、閉店時間になった。 『今日は3人だけか。まぁ初日はこんなもんかな。』 私は店を閉じ、晩御飯をおばあちゃんと食べ、厨房を片付け、お風呂に入った。 そしておばあちゃんに借りた部屋のベッドに寝転がり、寝ることにした。 『明日は何人来るかな。本当に人気になれるかな。』 そう思いつつも、私は眠りについた。
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