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ここだわ、コロンさんのお店は。相変わらず大きいのね。
コロンさんのお店は、うちと同じようにお店と家が一体化している。
今日も商売繁盛しているのかしら。
「おはようございます。シュシュです。パンをお届けにあがりました。」
店の戸を開けると、商談中のコロンさん。
「これは、失礼しました。」
「ああ、ハル。持ってきてくれたんだね。いつもすまないね。」
コロンさんは、商談中というのに優しい声で声を掛けてくれた。コロンさんはたぶん、40歳くらいかな?本人から年齢を聞いたことないけど。
相手は、服装からして高貴な男性っぽい。
お付きの人も上品そうだし、私には別世界だわ。
「セト、支払いを頼む。」
「承知しました。」
セトさんは、コロンさんのお店の従業員さん。あんまり表情が変わらないから、最初は少し怖かったんだ。でも、たまに祖母がおまけで入れてる試作品のパンの感想を詳しく言ってくれるからとても参考になるの。コロンさんも同じなんだけどね。
「ハルさん、代金はこちらです。」
「確かに。いつもありがとうございます。」
「いえ、こちらこそいつも届けてくださりありがとうございます。」
そして、この前届けたときに入れてた試作品のパンの試作品の話になった。
「そうですね、ベリーのジャムが甘酸っぱくて、パンとよく合って美味でした。あれだけでも瓶に詰めれば十分売れますよ。果肉が混ざってて存在感はありながらも、滑らかでとてもおいしかったです。」
「祖父母に伝えておきます。」
「それでは、お気をつけて。」
配達も終わったし、感想も聞けたのでお店を後にすることにした。コロンさんは熱心に先ほどの男性と討論している最中みたいだったから、気づくか分からないが会釈だけして店を出ることにした。
さてと、お店に早く戻って手伝わないと。
その後、お店が閉店するまでしっかり働いた。
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