看板娘は雨が似合う!?

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「これ、あげる。昨日のお礼。」 「何、くれんの?」 コウにクッキーを手渡す。 「じゃあ、遠慮なく。」 コウがその場で袋を開けて一口クッキーを食べる。 「なんで、今。ここ、仮にもレジだし、同じ商品売ってるのに。」 「ほかに客いねーし、いいだろ。」 なんだか、目の前で自分のクッキーを食べられるのは恥ずかしい。 ガチャッ 厨房のドアが開いた。 「あら、コウくん、こんにちは、いらっしゃい。」 「お邪魔してます。」 おばあちゃんが出てきた。 「昨日はありがとうね。クッキーもらった?」 「今もらって食べてます。」 「まぁまぁ、それ、ハルちゃんが作ったのよ。お店に並んでるのは私が作ったけど。材料は同じだけど、心がこもってるでしょ。」 「ちょっと、おばあちゃん!!」 「ふふ、ごゆっくりね。」 おばあちゃんは、タイマーが鳴った音で、また厨房に戻っていった。 コウとまた二人きりになったが、おばあちゃんがあんなこと言うから、なんとなくコウト目を合わせづらくなったじゃん。 「昨日のお礼ってだけだから。それより今日どうしたの?買い物?」 「様子見に来たんだよ。昨日の今日でまさか働いてるとは思わなかったけどな。ばかハル」 「ばかって言わないで。ちゃんともう元気になったし、無理してないし。」 「ほんとか?」 おでこにコウのひんやりした手が当たる。思わず、固まるがすぐに手をはねのける。最近、コウの行動が心臓に悪い。ドキドキする。
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