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「えっと、えっと、あ、あの……」
私は何から話せばいいか混乱している。
「佳美、落ち着いて」
翔真が手の平を下に向け、落ち着けと言っている。
「佳美ちゃん、どうしたの?」
義母さんまでが驚いて名前で呼んじゃっている。
私は一回深呼吸をしてから、頭の中を整理して話しをした。
「すみません、あの私、思い出したんです。私がいたスーパーはアレルギーの方用のケーキを扱っていて」
「えっ!」
翔真が身を乗り出した。
「でも予約制で」
「じゃ、駄目じゃん」
翔真はがくんと項垂れた。
「じゃなくて、予約のケーキって万が一ひっくり返したとかだとアウトじゃないですか、だから私は予備を仕入れていたんです。キャラクターケーキ全種類とその他はその種類の一番大きい号数。そうしたら大は小を兼ねて何でも対応できちゃうし…で勿論アレルギー用も…」
それを聞いた義母さんが、目を輝かせてパチンと手を叩き。
「なら送ってもらいましょう!ほら、今朝届いたみたいに!」
「いえ、それが駄目なんです。あれは前々から頼んでおいたので…なので近くの同じ会社の店の在庫を調べてもらいます。私と同じ事をしていた店があるかもしるない。パソコンで調べられるんです。それであったらそのお店に頼んで取りに行きます!」
「えっ?誰が?」
翔真が空かさず聞いて来た。
「私が!………ね?女将、許可してください」
お義母さんは少し考えて
「わかったわ、でもその前にもう一度だけ板長に若女将から頼んでみなさい。やるだけやって駄目ならお願いしましょう」
「ありがとうございます。じゃあその前に念のため電話して調べてもらっておきます」
お義母さんと翔真はにっこり笑って頷いてくれた。
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