次の週

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舞は次の日教室の掃除当番だった。 教室の掃除は他の掃除場所よりずっと時間が かかっていた。その様子を見ていたクラスの担任の渡辺が廊下にいる男子に 「おい、自分のところの掃除が終わったのなら 教室の掃除を手伝ってやれよ」 そう言った。 一部の男子生徒は手伝うのが嫌だと逃げて行ったが 山本範宏は 「みんな手伝ってやろうぜ」そう言って教室の掃除を手伝ってくれた。舞のところにちり取りを持ってきてくれて舞は持ってきてくれたちり取りにゴミを入れた。そのあともてきぱきと教室の掃除の手伝いをしてくれた。 その後ゴミ箱のゴミがその日は異常に多く山本範宏はゴミ箱からゴミを出すのに困っていた。 「誰か~ゴミ箱のごみまとめるの手伝ってくれよ」 山本範宏が頼んでも 「嫌よ。ごみなんて」そう言って誰も手伝って くれる人はいなかった。 舞は 「私、暇だから手伝うよ」そう言って舞は手伝った。その日から少しづつ小暮舞と山本範宏はお喋りをするようになった。 そんなある日舞が校庭の隅を歩いていると大きな ボールが飛んできた。ぶつかると思った瞬間 山本範宏は「危ない」そう叫んでボールを受け止めてくれた。 「大丈夫か?気をつけろよ」そう言ってくれた。 その後も何故か?校庭で部活中のボールが飛んできてその時もまるでスーパーマンのようにボールから舞を守った。 しばらくして学校で舞の好きな音楽が流れてきた。 山本範宏は舞に言った。 「俺この曲好きなんだよねーいい曲だよね」 舞も 「そうなの?私もこの曲が今一番好きなの」 舞と範宏は曲の好みが同じことから少しずつ話す ようになっていった。 そんなある日、舞は範宏に呼ばれた。 話があると言われ、学校の裏の隅のところに。 舞は 「なんだろう?話って?」 舞が範宏に近付くと 範宏は舞に言った。 「俺と付き合ってほしい。俺は本気なんだ。 真面目に付き合ってほしいんだ」  舞は冗談だと思った。だから正直に自分の気持ちを言った。 「私は今も虐められている。冗談は止めて どっかに隠れてるんでしょう?私が本気にしたら、いくらかもらえるとか?ドッキリとか? 悪いけどその手には食わないから。」 そう言った舞だったが……。 「あれ?他の男子が出て来ない?じゃあ何が目的?お金だったら私持ってないから」 舞はそう言ったが 「俺は諦めないから、これからは俺がお前を守る 絶対にずっと側にいるから。俺にはお前が必要なんだよ」 そう言ったが舞には男性が信じられない理由が あった。両親と弟に酷い虐待を受けていたのだ。 舞は山本範宏に虐待の事実を告げた。 「わかったでしょう?私は誰とも付き合う気はないのごめんね」舞は範宏にそう言ったが範宏は  「わかった。でも俺はお前をずっと守っていきたいそれだけはわかってほしい」そう言った。 そして範宏は 「舞の気持ちが変わったら教えてほしい。 俺はこれから舞の側にできるだけいて お前を守るから」 そう言った。 舞は最後に 「私は虐められてる影のような存在、あなたは 明るい太陽私とは違うわ。こんな私のどこがいいの?もっと虐められてない可愛い子の方があなたには似合ってるよ」 そう言った。 範宏は言った。 「案外人間って自分のいいところに気がついていないもんだよ。あの日ゴミ箱のゴミがなかなか取れなかった時、誰も手伝ってくれなかったのに舞は手伝ってくれた。俺はたぶんその時からずっと舞が好き だったんだ。これからずっと舞の家の悩みも何でも聞くからそれに自分は相応しくないなんて言うん じゃねえぞ❗俺の見る目がなかったって言ってるようなもんだぞ❗返事はもう少し待つから考えてほしい」 舞にとってこんなに熱烈な告白ははじめてだった 範宏がその場から去ってからも舞はしばらくの間 ぼーぜんと立ちすくんでいた。
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