引っ越し

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引っ越し

小暮舞は中学二年生の時、隣街に親の都合で 引っ越しをすることになった。 親の都合で引っ越しするのは本当に突然の 事だった。 「舞 急な引っ越し寂しいよ」 「舞 これプレゼント」 「舞 手紙頂戴ね」 「舞 引っ越しして片付いたら連絡してね 遊びに行くからね」 そんな話しをして私は友人に手を振った。 友人に 「隣街だからすぐに会えるよ」 舞はそう言った。 引っ越し先は隣街の庭付き賃貸団地だった。 前住んでいたアパートとは違って少し広い団地 だった。前住んでいたアパートは二階はなかったけど今度の団地は珍しく一件家のように二階もある 広めの団地だった。 まだ段ボールに荷物は入ったまま置かれていた。 スーパーも近くにたくさんある為、前住んでいた ところよりもずっと便利だった。 両親は荷物を新居に運んだ次の日も仕事に 出掛けた。 そして両親は次の日会社の人と飲み会だから 遅くなると舞に話した。 土日は接客業だから忙しい両親は仕事を休むわけにはいかなかった。 舞は前の学校の友人を家に呼ぼうと思い前日の今日電話を掛けた。 「わかった。行くね明日」 そう言ったのに次の日の当日四人の友人はそれぞれ 電話を舞に掛けてきた。 「ごめんね。舞、用事ができちゃって 行かれなくなったの」 はじめは、三人から電話があった。 「ドタキャン❓️はじめから来る気なんて なかったんだ。でも、あと一人順子ちゃんからは 電話かかって来ないな~きっと来てくれるんだな」 舞は喜んでお菓子とジュースを用意しておいた 約束の時間の二時間前その順子ちゃんから電話が 掛かってきた。 「もしもし順子ちゃん今お菓子用意しておいた からね。駅に着いたら迎えに行くからまた電話 してね」 舞は順子にそう言った。 ところが順子が電話で言った言葉は思いがけない 言葉だった。 「ごめんね舞ちゃん急に出掛けなければなら なくなったの。悪いけど行かれないの」 そう言われ舞は悲しさと怒りで心の中は一杯になった。 「ドタキャンで二時間前だよね?急に出掛ける用事ができたなんて嘘でしょう‼️はじめから来たく なかったんだよね‼️みんなドタキャンしてさ あなたが一番酷いわよ二時間前に電話してくるなんて来ると思ったからお菓子も用意しておいたのに。今さらドタキャンの電話って何よ‼️」 舞はかなり腹が立った。 その後 「実は行くか?止めるか?迷ってたのみんな行かないって言うから」順子はそう言った。 舞はさらに怒って 「みんなが行かないから行かないの?みんなが行くから行くの?そんなの小さな子供と同じじゃない とにかくお菓子も用意したんだから今さら ドタキャンとかあり得ないから」 舞が怒ると順子は 「わかった。今から行くよごめんね」 そう言った。 これが引越しの直後からの舞の前途多難な出来事の始まりだった……。
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