プロローグ

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プロローグ

 穏やかに流れる心地好いそよ風  小さな小鳥の囀り(話し声)  緑のネオンに輝く小さな光の玉がそこらじゅうに茂る草花に寄り添うように浮遊する。  流れる小川のせせらぎ、陽の光に照らされてキラキラと輝きそよ風で水面は揺らぐ。  そして、小川の真ん中にある大きな大樹からは、浮遊するネオンの緑色の玉が何百、何千と生まれ続け、この大地を覆い尽くしていた。  大樹の幹は、根より少し上の方は地上に出ているがその下は小川の中に生えている。  その幹の、うろの中に、はいた。  真っ白な髪に、白い肌、白いまつ毛に、真っ白なワンピースを着ている。その姿はまるで、天空より舞い降りた天使のように美しい姿をしていた。  この大地に生息する古来からの妖精達、姿は皆同じで光る人型に細くて長い羽が生えている。赤い妖精、青い妖精、緑の妖精と、色は様々で……そんな彼等も天使のような少女を物珍しそうに見ては、少し騒いでいた。  その少女の近くには、古びた分厚い本が一緒に置かれていた。題名は『イラブ伝記』と書かれてあり、著者はフェレーベル・ガナッツェ。  妖精達は驚いた。姿形は『』と呼ばれる姿をしているのに、古書に書かれた文字は、天空人が使う文字だったからである。  妖精達は一箇所に集まると、一つの塊となり、そしてその姿は、人の姿へと形を変える。水色の美しい長い髪に雫をモチーフにしたティアラ、青い瞳と尖った耳、そして大樹から生まれる緑のネオン玉と同じ色をした長いドレスに似た服を着た、女性になっていた。  彼女は少女に近寄って頬に触れた。暖かくて柔らかい、人間で言うところの、子供だろうと予想しその年は12,3歳ぐらいだと彼女は思った。そしてその身が淡く黄色に輝くと、光る人型の小さな妖精へと分裂し、その一人は大地を後にする。  彼女は触れた時、少女が人間である事。  そして害がない事を感じたため、報告に向かったのだ。  天空の騎士、リヴォーク団長に……。この大地の管理者でもある彼に……。
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