Episode【 Ⅰ 】

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 川のせせらぎが耳に心地好く響き、そよ風はその身を撫でるように吹いている。  普段からしかめっ面のリヴォークも、この時ばかりは笑みを浮かべずにはいられなかった。 「いつ来ても良い所だ……心が洗われる」  そう呟くと、精霊の分身に手を引かれ木々のトンネルを抜ける。その先には大きな泉の真ん中にある堂々たる大樹が顔を出す。  然しリヴォークは大樹の大きさよりも先に、そこにいる少女が目に映った。  腕を伸ばし指の先に止まる蝶と戯れている。真っ白な髪はそよ風に靡いており、指先へ視線を送るその瞳はとても美しい澄んだ青い瞳をしていた。  リヴォークは息を飲んだ……。美しいと、そう思った。  彼はゆっくりと大樹に近寄った。すると今まで蝶と戯れていた少女が、彼を捉える。 ──ドキッ、と高鳴る胸にリヴォークは驚いた。今まで異性に対してこんな風にドキドキする事は無かったからだ。進んでいたはずの足は止まり、少女に魅入ってしまう。  すると、うろに座っていた少女が水の上に足を置いた。その光景は驚かざるを得ない。少女が向かって歩く少し先に花で飾られた道が生まれたのだ。その道はリヴォークの前で止まる。
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