月をあおぐ

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 穂乃ちゃんはばさばさと扇いでは、しゃくり上げた。  続いてる、ひどい離人感。  手を繋いで踏ん張ってる僕たちを、瞳に焼き付けておきたい。  僕は月に顔を向けて、目を閉じた。  呼吸と繋いだ手の感触だけが残って、あとのことは全て、遠のいてゆくよ。  さよならを言わなくちゃいけないんだね。 《 完 》
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