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プロローグ
夏休み。
普通の人なら友達と遊びに行くとか、そんなことをする期間。
だけど、僕には毎年行く場所があった。
それは祖母の家だ。
祖父もいたのだが、もう死んでしまっているため、僕は『祖母の家』と呼んでいることにしている。
祖母の家の近所。
そこに、とある少女の家があった。
「……あ、来てたんだ
気づかなかった」
家から出てきた彼女は笑って僕に微笑んだ。
「うん、来てたよ」
僕はそう言って頷き、話を続けた。
「そういえば、看板で見たけど……
そろそろ祭りがあるんだ?」
僕が聞くと、彼女は笑った。
「うん、まぁ……祭りというか、花火大会だけどね」
彼女は愛想笑いをした後、僕の手を取った。
「さ、そんなことはいいから、早く遊びに行こ!」僕は彼女に手を取られる。
「え、ちょ、ちょっと!?」
慌てふためく僕に、いたずらげな笑みを見せた彼女は、僕を引っ張って海へと連れ出した。
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