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「俺が女の子と、どう付き合ってきたとか」
返事が出来なかった。
聞いてないよ、とは言えない。
嘘は吐きたくない。
外山くんは眼を逸らすことなく私を見据える。
「それに俺は涼宮さんとセックスしようとした。
それまで話したこともなかったのに。
もし涼宮さんが体調を崩していなかったら、最後までしてた」
顔が一気に火照る。
自動的に、鮮明に、あのときのことを思い出してしまう。
先端だけ――だったけれど、触れたときの感触がまざまざと蘇る。
「どうして涼宮さんは、俺なんかとお茶してるの」
「それは……」
確かに外山くんと私は、私が吐いたりなんてしていなければセックスしていた。
この広い胸の中で私は喘ぎ、外山くんは私のなかで果てていた。
お互いに好きでも何でもなく、話したことすらないような関係だったのに。
どうしていまこうしているのか――明確な答えはわからない。
いまこうしているのは私にとっては自然なことだったから、理由が浮かんでこない。
それでも言葉にするなら、それはきっと。
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