200人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺が気づいてないって思ってた?」
「み、見てない……」
「見てた」
奏人は冷たい瞳で私を包み、唇を重ねた。
咥内をぬるぬると這う舌がすべてを溶かしていく。
あまりの心地よさに自然と声が漏れた。
薄っすらと眼を開けば、すぐそこにはいつも遠くから見ていた奏人の顔がある。
睫毛がちゃんと一本一本まで見える。
もしもこれが夢なら、一生目覚めなくていい。
こんな夢ならずっと見ていたい。
夢を見ることと引き換えに、現実の私が死んでしまったって構わない。
「なんで眼、開いてんの?」
「駄目?」
「別に。見たいなら見てれば」
全部見たい。
私を見る奏人も、私にキスをする奏人も、私の服を脱がす奏人も。
全部全部、見たい。
一瞬でも眼を離したくない。
「もうこんなに濡れてたんだ?」
「それは……その……」
奏人の中指が形をなぞるようにそこを撫でた。
音を立て、そこはさらに湿っていく。
ぴったりと貼り付いたショーツは色を変えた。
「もしかして俺を見てるときも濡れてた?」
答えずに下唇をぎゅっと噛むと、一気にショーツを下ろされた。
薄ピンク色のショーツは床に放り投げられる。
最初のコメントを投稿しよう!