落下した十九の冬

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「俺が気づいてないって思ってた?」 「み、見てない……」 「見てた」 奏人は冷たい瞳で私を包み、唇を重ねた。 咥内をぬるぬると這う舌がすべてを溶かしていく。 あまりの心地よさに自然と声が漏れた。 薄っすらと眼を開けば、すぐそこにはいつも遠くから見ていた奏人の顔がある。 睫毛がちゃんと一本一本まで見える。 もしもこれが夢なら、一生目覚めなくていい。 こんな夢ならずっと見ていたい。 夢を見ることと引き換えに、現実の私が死んでしまったって構わない。 「なんで眼、開いてんの?」 「駄目?」 「別に。見たいなら見てれば」 全部見たい。 私を見る奏人も、私にキスをする奏人も、私の服を脱がす奏人も。 全部全部、見たい。 一瞬でも眼を離したくない。 「もうこんなに濡れてたんだ?」 「それは……その……」 奏人の中指が形をなぞるようにそこを撫でた。 音を立て、そこはさらに湿っていく。 ぴったりと貼り付いたショーツは色を変えた。 「もしかして俺を見てるときも濡れてた?」 答えずに下唇をぎゅっと噛むと、一気にショーツを下ろされた。 薄ピンク色のショーツは床に放り投げられる。
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