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この関係が毎日のことだったら、私は抜け出せていたかもしれない。
例えば大好きなフライドポテトだって、毎日与えられたら「さすがに躰によくない」と思ってやめられる。
けれど奏人が私を誘うのは、我慢していたフライドポテトが恋しくて恋しくて仕方がないという極限の時。
恐ろしいくらいに良いタイミング。
いや、悪いタイミングだった。
極限状態で口にしたフライドポテトは悪魔的な魅力がある。
私は狂ったように両手で掴み、次から次へと頬張る。
口の中がまだ空っぽになっていなくても、次のポテトを口に入れる。
食べ終えてしまえばお代わりをねだり、「もうポテトはない」と言われれば、底に残った油の塊のようなカスにだって舌を這わせる。
そして食後に襲ってくる罪悪感。
「もう二度と食べない」
心にそう誓っても、馬鹿な私はまたすぐにフライドポテトが恋しくなる。
差し出されて断るわけがない。
フライドポテトがない人生なんて考えられない。
そんな人生なら私はいらない。
私は、完璧な中毒者になった。
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