197人が本棚に入れています
本棚に追加
初めて芽衣子からゆき乃ちゃんを紹介されたとき、私は驚いた。
まるで少女漫画のキャラクターのような大きな瞳に、透きとおる肌。
サクランボ色の唇がちいさく動き「理香ちゃん」と呼ばれると、ドキリとしてしまう。
頭の先から足の先まで、いつもピカピカの女の子。
上品な仕草がお嬢様っぽいな、と思っていたら、芽衣子から「ゆき乃の家は別荘まであるんだよ。それも二つも」と言われた。
高校から持ち上がりで大学に入った芽衣子とゆき乃ちゃんは親しいようだった。
出会った当初は、私は芽衣子に対しても劣等感を抱いていた。
天真爛漫で、誰とでもすぐに打ち解ける。
メイクも服装もいつもシンプルだけれど、それが芽衣子の顔立ちやスタイルの良さを引き立てる。
自分をわかっている、周りに流されない子だと思った。
距離を取りながら付き合っていたけれど、なぜか芽衣子は私にグイグイと近付いてきた。
教室で隣に座ったり、お昼を一緒に食べたり、私のアパートに行きたいと言ったり。
気がつけば芽衣子のペースに呑まれ、一緒にいることが自然で心地いいものになっていた。
最初のコメントを投稿しよう!