金木犀とオレンジと犬

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「理香ちゃんのうなじ見てたら勃っちゃった」 背後から固くなったものを押し付けられた。 鼓動がさらに早くなる。 「でも、時間が……」 「お前だってどうせ濡れてるくせに」 奏人の言うとおり、躰はもうとっくに受け入れられる状態になっている。 受け入れられるどころか待ち望んでいる。 早く早く、奏人と繋がりたい。 下着のなかに滑り込んできた指先が、くちゅりと水音を立てた。 鼻先で嗤われ、羞恥心と快楽に追いつめられていく。 小さな水音と荒い息遣い。 アパートのなかは私の音だけが広がる。 「うわ……ぐっちゃぐちゃ」 乱雑に引き抜かれた指先は蛍光灯に照らされ、糸を引いて光った。 躰がまた熱くなっていく。 顔を背けると顎を掴まれ、咥内に指を捻じ込まれた。 嘔吐いてもお構いなしに指は舌を撫で回す。
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