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何度か男の後を尾け下調べを繰り返し、長沼は犯行に丁度いいお(あつら)え向きの場所を探し当てた。 「この場で一気に首を絞めて殺し、後は停めておいた車に引きずり込んでしまえばいい。刺殺とは違い返り血が飛び散るようなこともないし、絞殺が一番リスクも低いだろう。そうしてそのまま車で山に行き、忌々しい奴の死体を埋めてしまえば……」 もはや、足がつくことはない──。 我ながら、なんて完璧な殺人計画なんだと、長沼はひとり顔を歪めて満足げに笑った。
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