1話

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誕生日なんて祝ってもらえる立場じゃない。 そう思ってアイリスや他の使用人達に勧められても開かなかったパーティー。 それをレオナルド自らが開こうと言ってくれたことが自分を認めてくれているような気がしてルーナは嬉しかった。 どんなパーティーにするか、ドレスは何を着るかアイリスと沢山悩んで楽しいパーティーにしようとしていた。 楽しみにしていた。 だけど1週間前、当然一緒に出席してくれるものだと思っていたルーナにレオナルドは出席しないと言い放った。 楽しみだったはずのパーティーが急にどうでも良くなった。 突然公務が入ってしまったのか、元々行くつもりなんてなかったのか何も分からない。 理由すら聞けなかった。 パーティーを開くと言ってくれただけ、それだけで十分だと自分の気持ちを押し殺して頷くことしか出来なかった。 「私のパパはどんなに忙しくても私の誕生日は必ず1番に祝ってくれるし、パーティーにも来てくれるわ!私をとーーーっても愛してくれてるもの!」 エミリアはレオナルドが来ないと分かると自慢するように言った。 ルーナがショックを受けるのを期待しチラリと横目で様子を見たエミリアだったが、平然としているルーナを見て少し機嫌を悪くしあることを言ってのけた。
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