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「ねぇ、知ってる?ルーナって『ビータス家の望まれない子』って呼ばれてるのよ。今日、レオナルドおじ様がいらっしゃらないってことはほんとにそう思われてるってこと!?」
必要とされてたらどんなに忙しくても来るはずよね〜なんて隣で話すエミリアの声が遠く聞こえる。
『望まれない子』
その言葉にあまりショックを受けてない自分がいることにルーナは驚いた。
だって確かに私はそう思われてもおかしくないことをしてしまったんだから。
ビータス侯爵家は代々肉体強化という普段の力の2倍、3倍、上手く使いこなせれば10倍という人間離れした力を出せる能力を持ち、その力を皇帝に捧げ皇帝の騎士として生きる由緒正しき家紋だ。
ルーナ·ビータスは12年前の今日ビータス侯爵家の長女としてこの世に性を受けた。
優しいお母様とかっこいいお父様そして待望の愛くるしい子供。
沢山の人から祝われ3人は幸せでいっぱいだった。
ところが、いつまでも続くと思われていた幸せの終わりは急にやってきた。
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