34人が本棚に入れています
本棚に追加
ある日から急にソフィアが屋敷からでなくなった。
病気だった。
ベッドから出てくることも少なくなり日に日に細くなっていくソフィア。そんな姿を見て心配になり不安がるルーナに屋敷に見舞いに来る大人たちは皆同じことを言った。
「すぐに元気になる 。ただの風邪だ。」と。
幼いルーナはその言葉を信じ、ソフィアのことをそんなに深く考えてなかった。
ある朝、カーテンを開けると辺り一面が真っ白な雪の世界になっていた。生まれて初めて見る朝日に照らされキラキラと輝く雪をルーナは近くで見たくなった。
触ってみたい、雪だるまを作りたい、足跡をつけてみたい。してみたいことが次々と思い浮かぶ。だけど1人で遊ぶのも楽しいけどきっと物足りない。お父様は今遠征に行っていていないしお母様は...。
でも、こんな綺麗な雪の日だもん。1日だけなら大丈夫、だよね...?
ルーナはパタパタと足跡を廊下に響かせソフィアの部屋を訪れた。
幼いルーナにとっては大きすぎる扉を開けると、そこには召使い達はおらずソフィアがただ1人ベッドから真っ白な雪の世界を眺めていた。
「お母様...?」
ルーナの声でソフィアは振り向く。
「どうしたの?ルーナ。」
「一緒にお外で雪遊びしたいの。だめ?」
ソフィアはその瞬間泣き出してしまいそうなほど顔を歪め、ルーナに表情が見えないように自らの手で顔を覆った。
最初のコメントを投稿しよう!