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激情に突き動かされてその本性をさらけだす!
素敵すぎるー!
なんて、尊い存在だろうか。
ここで、お付き合いを断って私から距離を置かれたら、彼と葉山君のツーショットを至近距離で拝めなくなってしまう!
待て待て。
私からお断りしなければいいのでは?
女入れ食い状態の一野瀬部長のことだ。
物珍しさから私と付き合ってみたいなんて気の迷いを見せたのかも。
そのうち、向こうから『好きだと思ったのは勘違いだった』なんて、言ってくるはず。
つまり、現状維持がベスト。
答えは出た。
「ランチ、ごちそうさまでした」
「いいよ、また行こう」
笑って次の約束をさりげなく匂わせる。
そして、手を振る姿も恋人っぽい。
これが、ハイスぺ男の手腕!
ぎこちなく手を振り返しているとはいえ、私も(たぶん)彼女に見えるはずだ。
一野瀬部長の大きな背中を見送った―――ん?
んん!?
「あれは葉山君!?」
一野瀬部長の姿を見つけて微笑む葉山君。
その手には買い物をしてきたらしいと思われるレジ袋があった。
嬉しそうな顔をして一野瀬部長は葉山君と合流した。
どこへ行くのだろうと目で追う。
後をつけてみるまでもない。
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