第12話 足りないのは

3/9
2440人が本棚に入れています
本棚に追加
/224ページ
この熱くて甘い夜を――― 【続】 スッ、タッーン! ふ~、やれやれ。 なんとか、甘い夜までいったわ。 よしよし!盛り上がりは最高潮。 とりあえず、ここで一区切りにしておこう。 次は甘い夜か―――ここから先がなにも思い浮かばない。 はぁっとため息をついた。 土曜の夜、一野瀬部長からデートのお誘いメッセージが届いた。 頭の中はそのことでいっぱいで集中できない。 葉山君と付き合っているくせに私とも付き合うの? 二股? いや、まだ二人が恋人同士と確定したわけじゃない。 一野瀬部長の考えがわからない。 デートのお誘い―――正直、恋愛スキル低すぎな私はどうしていいかわからない。 着ていく服は? 持っていくものは? バナナはおやつに入りますか? 悩む……すごく悩む…… 椅子の上に正座をし、ぐるぐると回転してみる。 バランスを崩して転がり落ちそうになっただけで、なにも思い付かなかった。(※危ないので良い子は真似しないでください) 「私の恋愛ね……」 死んだ魚のような目でパソコン画面を眺めた。 二人の熱々お鍋マンション目撃事件(長い)のおかげでかなり進んだ。
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!