第12話 足りないのは

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甘い夜で止まっちゃったけど、ストックはできた。 しばらく毎日更新できそうだ。 だから、とりあえず小説のほうはこれでヨシとして―――問題は別にある。 リアル男女間の恋人同士としての私の振る舞い方だ。 「ぜんっぜんわからない……。メールの返信ですら業務連絡風になってるし」 これは私の知識不足が原因だということはわかっている。 今の私に足りないのは男女間の恋の知識ではないだろうか。 一野瀬部長の前で彼女(仮)としてふるまうには彼女(仮)としての動きを頭に叩き込めばいいのでは? それさえ、マスターしてしまえば、いちいち動揺せず、あの筋肉を楽しめるのではないだろうか。 知識不足―――そうだ、そういうことだったんだ。 ガタッと椅子から立ち上がった。 「行かなくちゃ!本屋に!」 慌てて服を着替え、バッグを手にした。 いつものBL売場ではなく、私が今、向かうべきなのは男女の恋愛があるマンガや小説売場だ! 要はマンガや小説で彼女(仮)の動きを学べばいいってことよ! BL小説を書くまで、たくさんのBL小説を読んできた私。 そのせいか、なんでもおいしくいただける雑食タイプに成長した。
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