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店員さんはエキスパートだよね。
スーパーでもどこになにがあるかわからない時は聞いている。
ここはさらりと尋ねてみようか。
「あの、すみません。おすすめの恋愛物の本ってなにかないですか?高校時代で私の恋愛観が止まっていて、それを進められるような本がいいのですが」
「おすすめですか?そうですね……」
いつもの慣れ親しんだ店員さん。
BL売り場はあなたが仕切っていることを私は知っている!
いわば、この階の首領。
私が買いたくなるような素敵なPOPをいつもありがとう。
それにこないだ私が購入したBL本もきっと把握しているだろう。
うんうん、私に恋愛初心者マークがついているのが見えますよね?
さあ、私にふさわしい恋愛教本をプリーズ!
じいっと期待をこめた眼差しで店員さんをみた。
店員さんのエプロンはこの前と同じ、パンダのエプロンをつけている。
「この恋愛小説なんてどうですか」
『さあ、これをお読みなさい』とばかりにスッと二冊、小説を手渡された。
それを迷うことなく手にした私。
地獄にいた(いろんな意味で罪人な)私は一本の蜘蛛の糸にすがる気持ちだった。
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