第12話 足りないのは

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「高校時代の先生と再会して恋愛するムズキュンストーリーなんですよ」(※ご本人様からご了承頂いてます) 高校、恋愛、ムズキュン。 ほう……今の私にぴったりではないか。 「これにします」 「ありがとうございます」 店員さんはにっこりと微笑んだ。 親切な店員さんのネームプレートを見ると『水川』と書いてあった。 ありがとう!水川さん! あなたは私の救い主だよ。 私が求めていたものに間違いない。 これを読んで学ぼう。 高校時代の恋愛観から大人の恋愛観を取り戻す! 戦利品を手にいそいそとマンションの自分の部屋へと帰った。 さっそく読もうと思ったけれど、まずは腹ごしらえから。 『俺を激しく愛してくれよ!』を書き続けていたせいで朝から何も食べてなかった。 「何食べよっかな」 冷蔵庫を開ける。 昨晩の一人鍋の残りの材料が入っていた。 「なんだよ、冷蔵庫の中まで一人アピールしてこなくていいよ」 しかも残り物。 雑炊にでもしようかな。 いや、それでは日曜日の特別感がまったくない。 せっかくの日曜日だ(もうサ〇エさんが始まるけど) 集中力を高めるため、目を閉じた。
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