第12話 足りないのは

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「気分は和洋中……どれでいく?私はなにを作りたいのだ!私に降りてこい!料理の神よ!」 カッと目を見開く。 冷蔵庫に半端になったカレールウが置いてある。 「カレー、一択でした」 よし決まった。 一人鍋で余った野菜と肉を入れる。 薄い和風だしで煮て、アクをサッととった。 そして、カレールウ! 残っていたゆでうどんをドボンッといれてかきまぜる。 「余り物具材でつくるカレーうどんの完成!」 野菜もたんぱく質も糖質も一度にとれるバランス抜群のカレーうどん。 カレースパイスが香る中でその存在感を誇示するうどん。 「カレー味はすべてを包み込むわね。失敗しらずのカレールウよ……」 カレールウを考えた人は天才に違いない。 絶妙の配分、癖になる味。 子供から大人まで大好きな国民的カレールウの残りもの鍋。 これはリピート必死ね。 猫動画をテレビで観つつ、カレーうどんを食べた。 最高の癒しですね。 「はー、おいしかった」 空腹が満たされて、気持ちが落ち着いてきた。 心と体がカレーうどんであったまり、準備は万端。 さーて。買ってきた本を読もう。 いそいそと本を手にし、ゴロゴロとベッドに寝転がる。
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