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そうだな、いろいろと間違ってるな。
晴葵は得意顔。
これは俺の失態だ。
材料をメモに書いて渡しておくべきだった。
落ち着こう。
夕飯まではまだ時間がある。
セロリ、お弁当ミートボール、ウインナーソーセージが今日の材料だ。
冷静に状況を分析し、夕飯の戦略を立て直そう。
晴葵は俺の部屋でまた『魔法少女☆ルン』の鑑賞会を始めた。
「自分の部屋に帰れ!それから、その『魔法少女☆ルン』のBlu-rayは持って帰れよ」
「えー?今、貴仁に彼女いないんだから、誰もこの部屋にこないだろ?」
「残念だったな」
俺は不敵に笑った。
「今日、新織に告白して、付き合うことになった」
「早すぎるだろ!嘘だろー!あの新織さんがー!」
悔しそうに晴葵がぼすぼすとクッションを叩いていた。
やっぱりこいつも新織狙いだったか。
「もう名前で呼び合う仲だ」
「マジか……!」
がっくりと晴葵は崩れ落ちた。
「お前が魔法少女に現を抜かしている間に俺は乙女ゲームをプレイして攻略の隙を虎視眈々と狙っていたというわけだ」
「そのドヤ顔!うぜー!」
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