第13話 鍋【貴仁】

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そうだな、いろいろと間違ってるな。 晴葵は得意顔。 これは俺の失態だ。 材料をメモに書いて渡しておくべきだった。 落ち着こう。 夕飯まではまだ時間がある。 セロリ、お弁当ミートボール、ウインナーソーセージが今日の材料だ。 冷静に状況を分析し、夕飯の戦略を立て直そう。 晴葵は俺の部屋でまた『魔法少女☆ルン』の鑑賞会を始めた。 「自分の部屋に帰れ!それから、その『魔法少女☆ルン』のBlu-rayは持って帰れよ」 「えー?今、貴仁に彼女いないんだから、誰もこの部屋にこないだろ?」 「残念だったな」 俺は不敵に笑った。 「今日、新織(にいおり)に告白して、付き合うことになった」 「早すぎるだろ!嘘だろー!あの新織さんがー!」 悔しそうに晴葵がぼすぼすとクッションを叩いていた。 やっぱりこいつも新織狙いだったか。 「もう名前で呼び合う仲だ」 「マジか……!」 がっくりと晴葵は崩れ落ちた。 「お前が魔法少女に(うつつ)を抜かしている間に俺は乙女ゲームをプレイして攻略の隙を虎視眈々と狙っていたというわけだ」 「そのドヤ顔!うぜー!」
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