ファンタジーとは、ゆるやかな時間を味わうこと。

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今どこにいますか? 私はアースランドに来ています。 アースランドのゆるやかに動く時間に溶け込んでいると、手紙を書くような日常的な些事もまた、ゆるやかに動く時間の一つだと感じられます。 アースランドはテラファーミングされた、火星のことです。 あるいは火星人は地球と違い、日常を速めたくなかったのかもしれません。日常を見渡せば素敵なことはたくさんあります。 たとえば、我が家では野菜を近所の商店から買っています。その野菜を鍋で茹でたスープが美味しかったこと。本を読んでいるとその本から豊かなイメージ、過去のイメージや未来のイメージがいくつも浮かんだこと。 最近はファンタジーとは何かを考えています。それはゆるやかな語りではないか。イメージをゆるやかに紡ぐことではないか。 アースランドはそんな少し世界に流れる速度を落とした世界です。 今どこにいますか? その答えは、アースランドやナルニア国、アーランド王国、子どもの世界、繊細な思春期、夢見る冒険、リゾート、動物、つまりは流れる時間をゆるやかとした世界のことです。 手紙をパソコンで書くという行為もまた、時間をゆるやかに閉じ込め、今日という一日を素敵なものにする、いわば魔法なのです。
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