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今日のヒーロー響介25歳♂
ピピピ♪ピピピ♪ピピ……
パシンッ!
「うーん……朝か……」
男はベッドを下りると頭をガシャガシャ掻きむしる。そして、ふぁーっと一つ欠伸をしながらカーテンを開けた。窓の外は昨日の雨が嘘のように良い天気だ。それだけで気分が上がる。
「今日は何色にしよっかなー。」
クローゼットを開けると、鼻歌まじりに今日のマイカラーを決める。
「秋といえば……紅葉……食欲の秋……」
頭の中で連想ゲームのように色に繋がる言葉を出していく。やがて、決まったのか1つのマスクを取り出す。
「よっし。今日はこれ! さつまいも色!」
さつまいも色というがワインレッドだ。
現在、世界中で未知のウイルスが広まり、人々は感染予防対策としてマスクをつけるのが当たり前になっていた。
だが、この男『新名響介 25歳』はちょっと事情が違う。
さつまいも色のマスクを頭から被ると
「変身! スウィートポテーイトォー!」
……マスクはマスクでもプロレスマスクだ。しかも、装着するとトランクスしか履いてなかった響介の身体は、アクションヒーローのようなピッタリとしたスーツ姿に変わる。もちろんマスクと同色だ。
変身のキメ台詞はその時のカラーによって変える。……つまり、何でも良いのだ。
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